- 以下の文章は、会員の皆さまなどにお届けしている会報虹色通信(2020年9月発行)に掲載したものです。
次のステージへ
突然ですが、この秋すみかでは大きな区切りを迎えることになりました。児童発達支援・放課後等デイサービスの多機能型として2014年4月にみやき町で開所したさんかく、そしてその後は放課後等デイサービスの単独事業所として運営してきましたが、2020年10月からは社会福祉法人かだんに運営を移行することになりました。
振り返れば、すみかが活動を始めた2004年以来、「障害当事者・家族・支援者、その誰もが自分らしく自己実現できる社会」「24時間365日誰もが安心して暮らせるシステムづくり」を目指し、細々とではありますが地域の中で足りない支援を作るべく努力してきました。日曜日毎に行った休日の居場所づくりは、たくさんのボランティアスタッフの力で成り立ってきました。夏休みなどの長期休業中に行き場のない障害のある子どもがたくさんいることが分かり、大学生などの協力を得ながらプールで真っ黒になった時もありました。それらが障害のある子どもの居場所づくりへと発展したのがさんかくでした。当時は同種の事業所が少なく、広域からたくさんの方にご利用いただき、定員の関係でお断りしてしまった方も多くいらっしゃいます。今も時には受け入れをお断りしている状況ではあるものの、障害のある子ども達が通う施設はこの圏域にもたくさんできました。地域の中で足りない支援を作っていくという意味では、一定の役割を果たすことができたと考えています。至らない点もたくさんあったと思いますが、さんかくに通って良かったと言ってくれる子ども達、そして保護者さんの存在は、すみかにとってかけがえのない財産です。
法人としては非常に小規模にもかかわらず、行う事業が多数ある中で、現場へのサポートが十分行えない状況もありました。しかし、さんかくで働いてくれているスタッフはそれぞれとても頑張ってくれていました。なので、もっと規模の大きい法人に運営を移行することで体制を強化すると共に、すみかとしてはまた別の足りない支援づくりへと踏み出すために、さんかくの運営を移行する決断となりました。新事業所になっても安心してご利用いただけるよう、現場スタッフは引き続き支援させていただく予定です。今後は、成人向けの障害福祉サービスも提供している法人が運営されることで、将来を見据えた支援やさらなる質の向上に繋がることと信じています。これまで、たくさんの皆さまにご利用いただきましたことを心より感謝すると共に、今後も応援させていただければ幸いです。
さて。すみかで目指してきた社会への道のりはこれで終わりではありません。放課後児童クラブゆうを始め、日曜日に行っているほっとスペースや動作法、地域の皆さまとの交流や障害理解の促進などの取り組みは続きます。そしてさらに、既存の事業に取り組む中で見えてきた課題や新たに起こってきた未解決のニーズもあります。大きく変化する社会の中で、これまで知られてこなかった多様なマイノリティの存在も明らかになっています。私たちの活動が障害のことを軸足にしていくことに変わりはありませんが、まずは課題を一旦整理しつつ、もっともっと地域の中でお役に立てるよう、すみかとしては次のステージを目指します。
どんな些細なことでも構わないので、皆さまのご意見をお聞かせ下さい。そして、次のステージへ進むための仲間になって下さい。私たちの明るい未来を、私たちの手で作っていきましょう。
(代表理事 芹田 洋志)